舌下免疫療法とは

舌下免疫療法

舌下免疫療法は、スギ花粉症やダニアレルギーなど特定の原因で起こるアレルギー症状に対して行われるアレルゲン免疫治療の一つです。舌下免疫療法ではスギ花粉やダニ抗原を含む治療薬の量を少量から始めて徐々に増やし、アレルギー反応を起こさないように仕向けていき、最終的にスギ花粉症やダニアレルギーを治癒に導いていきます。現在、舌下免疫療法が可能なのはスギ花粉症とダニアレルギーのみと対象が限られていますが、適応となる場合には効果が期待できますのでご希望がございましたらご相談下さい。

このような患者さまに
お勧めします

  • 治療期間が長期にわたっても治癒を望んでいる方
  • 飲み薬やスプレーをしても症状が軽くならない方
  • 飲み薬で眠気などの副作用がひどい方
  • レーザー治療や後鼻神経切断術などの手術に抵抗がある方
  • 手術を行っても症状の軽減を感じない方
  • 今後春に受験のある中高生
  • 屋外でスポーツや仕事をされる方
  • など

アレルギー性鼻炎とアトピー性皮膚炎、気管支喘息

ダニアレルギーはアレルギー性鼻炎だけではなくアトピー性皮膚炎や気管支喘息にも関わっていると言われています。
ダニアレルギーによるアレルギー性鼻炎にアトピー性皮膚炎や気管支喘息が合併している場合、舌下免疫療法を行うとアレルギー性鼻炎だけではなくアトピー性皮膚炎や気管支喘息に対しても効果があると言われています。

舌下免疫療法を
受けるにあたって

舌下免疫療法を約2~3年行うと、70〜80%の方は症状が軽くなり、20%の人は完治すると言われています。ただ全く効果のない方も20~30%います。効果の出ているかたは4~5年の治療をお勧めします。
舌下免疫療法の治療期間中は、毎日、アレルゲン(アレルギーの原因物質)を口に入れて頂く必要がありますし、副作用が見られる可能性もあります。また、治療期間としては3年以上が推奨されております。舌下免疫療法を受ける方は、この点をよくご理解いただいた上で開始して頂くことになります。舌下免疫療法に興味がございましたら当院までご相談下さい。

治療開始時期について
(スギ花粉舌下免疫療法)

スギの舌下免疫療法を行う場合、安全に治療を行なう為、スギ花粉の飛散時期には始めることができません。又、スギ花粉の飛散開始2~3ヶ月前には始めないと1年目の効果がでないことから、12月までには開始したいです。
以上のことから当院ではスギ花粉舌下免疫療法の治療開始時期は、原則6月から12月までとさせていただきます。
スギの舌下免疫療法の相談に関しましては年中受け付けておりますので気軽にご相談ください。

治療開始時期について(ダニアレルギー舌下免疫療法)

ダニアレルギーの舌下免疫療法はいつでも治療開始可能です。気軽にご相談ください。

当院で舌下免疫療法を受けることが出来ない方

  • スギ、ダニ以外のアレルギー性鼻炎の方(採血検査で確認いたします)
  • 5歳未満の方
  • 65歳以上の方
  • 妊娠中又は近いうちに妊娠希望の方
  • 授乳中の方(中止が必要となります)
  • 重度の喘息の方
  • 重症の心疾患、肺疾患および高血圧症がある方
  • 抗癌剤、ステロイドホルモン、β阻害剤、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬などを内服中の方
  • 悪性腫瘍(がん)や免疫系疾患のある方
  • 本剤の投与、又はアレルゲンエキスによる診断・治療等※によりアレルギー症状を発現したことのある方
    ※シダキュア・シダトレン:スギ花粉を含む食品の摂取等も含む

副反応について

舌下免疫療法を行うと、口内炎や口内の腫れ、かゆみといった軽い局所の副反応は時々起ります。ごくまれに、強いアレルギー反応であるアナフィラキシーが起こる可能性があります。
これらの副反応は、アレルギーの原因となる成分を体内に入れることにより起こるアレルギー反応であり、ある程度はやむを得ないものです。
舌下免疫療法を始めた最初の1カ月間に副反応がより多くみられます。

舌下免疫療法は何科で治療するのがいいのですか?

舌下免疫療法が始まった頃はアレルギー性鼻炎の治療を目的としていたため主に耳鼻咽喉科で治療されていました。
しかし、最近ではダニアレルギーに対する舌下免疫療法がアレルギー性鼻炎だけではなくアレルギー性鼻炎に合併したアトピー性皮膚炎や、アレルギー性鼻炎に合併した気管支喘息にも効果があることが知られており、皮膚科や内科・小児科などでも舌下免疫療法を行う施設が増えてきました。診療科を選ぶ参考にして下さい。

◎スギ花粉症の場合
鼻の状態を確認し薬の調整をしていくことのできる耳鼻咽喉科をおすすめします。

◎ダニアレルギーの場合
主に治療したい症状で診療科を選んで頂くのがよろしいかと思います。
・「スギ花粉症」もある場合や、「アレルギー性鼻炎」を治したい場合は鼻の状態を確認していける耳鼻咽喉科をおすすめします。
・アレルギー性鼻炎に合併した「喘息」の治療が主な場合は呼吸状態を確認できる内科や小児科。
・アレルギー性鼻炎に合併した「アトピー性皮膚炎」の治療が主な場合は皮膚の状態を確認できる皮膚科。

下のフローチャートを参考にしてください

アレルギー