- 2025年8月24日
- 2025年8月25日
鼓膜換気チューブ留置術
鼓膜換気チューブとは

鼓膜換気チューブは、シリコン製の小さなチューブで、鼓膜を小さく切開してそこに留置します。鼓膜切開術では一時的に換気が出来るものの鼓膜の切開部がすぐに閉じてしまいますが、鼓膜換気チューブを留置することにより切開部が閉じずに、中耳の換気を保つことが出来るようになります。滲出性中耳炎や、難治性中耳炎に対して鼓膜換気チューブ留置術を行うことがあります。
方法
1.鼓膜に麻酔をします
2.鼓膜に切開刀(メス)を使って穴を開けます(鼓膜切開術)。鼓膜の内側(中耳腔)に貯留している液体を吸引します。チューブを鼓膜の孔に挿入します。
*チューブ挿入が困難な場合は鼓膜切開術のみとなる可能性があります
*当院では外来で日帰り局所麻酔での鼓膜換気チューブ留置術を行っており、0歳のお子様から可能です
*お子様がじっとできない場合は外来で鼓膜換気チューブ留置を行うのは難しく、その際には全身麻酔で行う必要があり病院に紹介させて頂きます
今後の受診について
- 手術の翌日は、かならず再診して下さい
- 鼓膜換気チューブを留置している間は月1回の受診を行ってください
鼓膜換気チューブ留置術後の注意点
- 術後24時間は運動を控えて下さい
- 挿入中はご自宅で耳掃除はしないでください
- プールは耳栓を使用した上で水泳をしてください。潜水、飛び込みは行わないでください。ビニールプールで水浴びする程度であれば耳栓は不要です
- お風呂やシャワーでは基本的には耳栓は必要ありません
- 飛行機に乗ることは問題ありません
鼓膜換気チューブの留置期間
滲出性中耳炎の場合
チューブは自然に脱落することが多いですが、2年を超えても自然脱落せずにチューブが残っているなら抜去するというのも一つの目安になっております(現時点では留置期間がどれぐらいがいいのかに関して明確な基準は決まっておりません)
難治性中耳炎の場合
チューブの自然脱落を待ち、1年を超えても自然脱落せずにチューブが残っているなら抜去するのが良いかと思います(チューブを1年または1ヶ月の留置で罹患回数が減ったという報告がありますが、現時点では留置期間がどれぐらいがいいのかに関して明確な基準は決まっておりません)
今後の注意点・合併症
- チューブが早期に脱落することがあります
- 一定の確率で鼓膜に孔が残ることがあります。孔を閉じる手術は当院では対応できないため病院紹介となります
- 一定の確率で鼓膜の内側(中耳腔)にチューブが落下することがあります。中耳腔に脱落した場合、当院では対応できないため病院紹介となります
- 耳漏がでることがあります
- チューブが取れた後に中耳炎が再発することがあります。その場合は、再度チューブを挿入することもあります